お知らせ・コラム

相続放棄の期限が過ぎたらどうなる?期限後に相続放棄できる?

更新日:2023.11.27

はじめに

前回の記事では、相続放棄の期限についてと申立書の書き方について、紹介をしました。

この記事では、相続放棄の期限を過ぎてしまったときの対処法について、説明します。

 

相続放棄の期限が過ぎても相続放棄できる可能性がある

相続放棄の期限が過ぎてしまっても、場合によっては相続放棄できる可能性があります。

裁判所は、明らかな却下理由がない限り、相続放棄を認めるべきだという考え方です。

つまり、期限が過ぎてしまったとしてもそれだけで諦める必要はありません。

どういった理由が認められるのか、必要な手続きや書類は何かについて下記で説明します。

期限後に相続放棄が認められる要件

相続放棄の期限後に放棄が認められた事例として、下記のような要件があります。これは、被相続人の借金が相続放棄の期限後に発覚したケースにおける要件です。

1.被相続人に相続財産が存在しないと信じたこと

2.相続財産の調査を行うのが困難で、財産がないと信じるに足る十分な理由があること

相続放棄の期限後に債務の督促が届いて、相続財産に債務があることを知る例は多くあります。

過去の裁判例でも「相続したことの認識」とは、その借金の存在が分かったとき(東京家審昭和47年6月2日)とする例もありました。

たとえ上記の要件を満たしていても、債務の存在を知った日から3か月以内に相続放棄を行う必要があるでしょう。

期限後の相続放棄に必要な手続きと書類

相続放棄の手続きは、被相続人が最後に居住していた地にある家庭裁判所へ申し出を行います。

放棄の期限が過ぎている場合には、事情を説明した申立書が必要です。そのほか、債務の督促状など期限を過ぎた理由を証明する書類があれば添付します。

申立てが受理されなかった場合再度の申立てはできず、高等裁判所へ即時抗告として不服申し立てを行うことになりますので、慎重に行う必要があります。

 

相続放棄が認められない場合がある

知らずに行った行動で、相続放棄が認められなくなることがあります。

相続放棄が認められなくなる、行ってしまいがちな行動を下記にて説明します。

相続財産を使用した

被相続人の相続財産を使用した場合、単純承認したとみなされ相続放棄できなくなります。

単純承認とは、マイナスの財産も含めて全て相続することです。

ただし、葬儀費用を相続財産から支払う行為や、経済的に価値の低い財産を形見分けとして持ち帰った行為は単純承認としてみなされず、相続放棄が認められることもあります。

一方、預貯金の払い戻しや解約、高価な遺品の持ち帰りは単純承認とみなされます。

また、賃貸借契約の解約も単純承認だとする考え方もあるため、相続放棄を検討している場合は安易に解約手続きなどを行わないようにしましょう。

家庭裁判所からの問合せに対応しなかった

相続放棄の申述を家庭裁判所に行ったあと、書類に不備がある場合には家庭裁判所から連絡があります。

その場合は必要書類を揃えて速やかに提出を行えば問題ありません。

書類に関して不安があれば、家庭裁判所へ問い合わせて確認するのも方法のひとつです。

また、相続放棄の申し出後に家庭裁判所から「相続放棄の照会書」が送られてくることがあります。

これは、家庭裁判所が審判を行ううえで、確認したいことが書かれた書面です。

この書面に回答しないと、相続放棄の申述が却下されることがありますので、書面を受け取ったら速やかに回答を行う必要があります。

 

相続放棄をしても発生する可能性がある税金

相続放棄を行うと、被相続人の所得税や住民税などを支払う義務は原則ありません。

しかし、死亡保険金を受け取ったときや被相続人が不動産を所有していた場合には、税金が発生する可能性があります。

発生する可能性がある税金について、下記にて説明します。

死亡保険金を受け取ったとき

相続放棄を行うと、全ての相続財産について受け取る権利がなくなります。

ただし、相続人が受取人となっている死亡保険金は、相続人固有の資産であるため相続放棄に関係なく受け取れます。

死亡保険金は「みなし相続財産」として、相続税がかかります。

通常、相続人が死亡保険金を受け取る場合は非課税枠がありますが、相続放棄を行っている人には非課税枠は適用されません。

相続放棄を行っても、死亡保険金を受け取ったときには相続税の申告を忘れずに行いましょう。

被相続人が不動産を所有していたとき

保有不動産には固定資産税がかかります。

相続放棄を行うと、被相続人の税金の支払い義務はありませんが、相続放棄を行ったタイミングによっては固定資産税の支払い義務が生じることがあります。

固定資産税は1月1日時点での不動産の所有者に課税されます。

所有者とは、課税台帳に登録されている人で、その所有者が亡くなっている場合には相続人が所有者となります。

被相続人が12月1日に亡くなった例で考えてみましょう。

相続放棄の期限である3月1日に相続放棄を行っても、1月1日時点で課税台帳に登録されていると固定資産税の納税義務が生じます。

12月31日までに相続放棄がなされている場合は、固定資産税の支払い義務はありません。

少しのタイミングの違いで不公平にも思いますが、判例でも課税台帳主義は認められています。

支払いに不服がある場合は、相続人へ請求することになりますが、全員が相続放棄をしている場合には非常に困難になります。

 

さいごに

相続放棄は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内に行う必要があります。

3か月以内に手続きが間に合わないときには、期限内に裁判所へ申し出て延長してもらうことが可能です。

期限後に借金などがわかり相続放棄が必要になっても、家庭裁判所が正当な理由があると認めれば相続放棄できる可能性があります。

相続放棄を行っても場合によっては相続税などがかかることもあるので、相続放棄を検討する際には相続の専門家に相談することをおすすめします。

 


********

名古屋市の相続相談なら【さくら相続支援協会】

また、税理士法人アイフロントでは相続のご相談(1時間程度)は無料で承ります。お気軽にお電話ください!

名古屋市の税理士法人アイフロント

名古屋オフィス – 名古屋市北区の税理士事務所 |税理士法人アイフロント (ai-front.com)

主な対応エリア:名古屋市北区・名古屋市守山区・名古屋市西区・春日井市・北名古屋市

この記事を書いた人:

TOPページへ戻る

関連記事

記事一覧へ戻る

お問い合わせ

PAGE TOP