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兄弟姉妹のからの相続を放棄したいときの処方箋 必要な書類とは?

更新日:2024.09.25

はじめに

兄弟姉妹の相続を放棄したいけれど、手続きにどんな書類が必要かわからないという方のために、兄弟姉妹の相続放棄で必要な書類について紹介します。

相続では、法律で相続人となれる順位が決められており、亡くなった人の兄弟姉妹の順位は3番目です。相続放棄は相続人だけの権利なので、兄弟姉妹が相続放棄できるのは、先順位の人が亡くなっていたり相続放棄をしたりで、兄弟姉妹に相続権が渡ってきた場合になります。そのため、相続放棄を申述する際には、申述人が本当に相続人か、先順位の相続人がいないかを確認するための書類が必要になるのです。

ここでは必要書類について、どういった書類をどこで取得すべきか、またなぜ必要となるのかを解説します。相続放棄の期限や他の兄弟姉妹とまとめて申述できるかもご紹介しますので、兄弟姉妹の相続放棄を考えている方は参考にしてください。

 

兄弟姉妹の相続放棄に必要な書類

兄弟姉妹の相続放棄に必要な書類は下記のとおりです。

〇相続放棄の申述書

〇被相続人の住民票除票または戸籍附票

〇相続放棄をする人の戸籍謄本

〇被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本(除籍、改製原戸籍)

〇被相続人の子と孫が亡くなっている場合 その子と孫の出生から死亡までのすべての戸籍謄本(除籍、改製原戸籍)

〇被相続人の父母祖父母の死亡の記載がある戸籍謄本(除籍、改製原戸籍)

兄弟姉妹の相続放棄は、配偶者や子が相続放棄を行うのに比べて必要書類が増えます。それは、先順位の相続人がいないことを示さなければならないからです。各書類の詳細について以下で説明します。

相続放棄の申述書

相続放棄の申述書は、放棄の理由などを明らかにして、相続放棄が認められるよう家庭裁判所に提出する書類です。書式は決められており、家庭裁判所に出向くか裁判所のホームページでダウンロードして入手できます。

被相続人の住民票除票または戸籍附票

被相続人の住民票の除票は、被相続人の住所地の市区町村役場で取得できます。被相続人の最後の住所がわからない場合は、戸籍を辿って本籍地を探し、本籍地の市区町村役場で戸籍の附票を取得しましょう。戸籍の附票には住民登録した住所が記載されているため、最後の住所地を調べることも可能です。

相続放棄をする人の戸籍謄本

相続放棄を申立てる人の戸籍謄本も必要です。戸籍謄本は本籍がある市区町村役場の

窓口で取得します。本籍がわからない場合は、本籍が記載された住民票を取得して調べましょう。本籍地が遠方の場合、郵送によって取り寄せることもできます。また自治体によっては、他の本籍地の戸籍謄本を取得できるところもあるので、お住まいの自治体に確認してみることをおすすめします。

被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本(除籍、改製原戸籍)

被相続人が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍謄本を用意します。出生から死亡まで戸籍を移していない場合はすぐに用意できますが、結婚などで戸籍の移動があると、取り寄せるのにかなり時間がかかるでしょう。

被相続人の子と孫が亡くなっている場合 その子と孫の出生から死亡までのすべての戸籍謄本(除籍、改製原戸籍)

相続順位で先順位の被相続人の子や孫が亡くなっている場合、兄弟姉妹が相続人であることを示すために、被相続人の子や孫の出生から死亡までの戸籍謄本が必要です。これも取得するのに時間がかかるので、早めに取りかかる必要があります。

被相続人の父母祖父母の死亡の記載がある戸籍謄本(除籍、改製原戸籍)

被相続人の父母や祖父母(直系尊属)も、兄弟姉妹より先順位の相続人のため、兄弟姉妹が相続人であることを示すために戸籍謄本が必要となります。

 

兄弟姉妹より先順位の相続人の相続放棄手続きに必要な書類

兄弟姉妹よりも先に相続人となる配偶者や子、父母や祖父母が相続放棄を行う場合の必要書類についてもご紹介します。

相続放棄する人が配偶者・子の場合

被相続人の配偶者や子が相続放棄を行う際には、下記の書類が必要です。

〇相続放棄の申述書

〇被相続人の住民票除票または戸籍附票

〇相続放棄をする人の戸籍謄本

〇被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本(除籍・改正原戸籍)

配偶者や子が相続放棄を行う際には、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を用意する必要がないため、比較的書類集めが楽になります。

相続放棄する人が父母・祖父母の場合

被相続人の父母や祖父母が相続放棄を行う際に、必要となる書類は以下のとおりです。

〇相続放棄の申述書

〇被相続人の住民票除票または戸籍附票

〇相続放棄をする人の戸籍謄本

〇被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本(除籍、改製原戸籍)

〇被相続人の子と孫が亡くなっている場合 その子と孫の出生から死亡までのすべての戸籍謄本(除籍、改製原戸籍)

〇相続人が祖父母で、被相続人の父母がすでに死亡している場合、死亡の記載がある戸籍謄本(除籍、改製原戸籍)

父母や祖父母が相続放棄を行う際にも、兄弟姉妹同様、先順位の相続人がいないことを示さなければならず、必要書類が多くなります。

 

相続放棄の書類はいつまでにどこに提出するのか

相続放棄の必要書類について説明してきましたが、では実際に書類はどこに、いつまで提出しなければならないのか以下で解説します。

相続放棄の提出先は家庭裁判所

相続放棄の申述書ならびに必要書類を提出する先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。市区町村役場ではありませんのでご注意ください。

また、申述書を提出すれば相続放棄が完了するわけではありません。家庭裁判所へ相続放棄の申述書を提出後、裁判所から照会書が郵送されてきます。そこには相続放棄の理由や相続放棄を行うのは自分の意思で間違いないかといった質問が書かれているので、回答して返送しましょう。相続放棄の申述書が無事に受理されると、数週間から1か月ほどで相続放棄申述受理通知書が送られてきます。

相続放棄の期限は3か月

相続放棄が行えるのは、自分が相続人であることを知った日から3か月以内です。被相続人が亡くなった日から3か月以上経過していても、自分が相続人であることを知った日から3か月以内であれば相続放棄できます。3か月という期間はあまり長くありません。特に被相続人と疎遠であったり遠方で暮らしていたりすると、必要書類を揃えるのに時間がかかりますので、早めに行動することが大切です。

相続放棄申述書は他の兄弟姉妹とまとめて提出も可能

自分以外の兄弟姉妹とまとめて相続放棄を行うこともできます。まとめて手続きを行えば共通する書類は1通で済ませられるので、他の兄弟姉妹と話し合っておきましょう。もちろん、別々に申述することもできます。もし先に相続放棄の申述を行っている兄弟姉妹がいれば、共通する書類は省略しても問題ありません。

相続放棄申述書は代理提出や郵送も可能

相続放棄の申述書は代理人による提出や、郵送での提出も可能です。代理人になれる人に決まりはありませんので、誰でも代理提出できます。また、郵送で提出する際には、返信用に必要な切手を家庭裁判所に確認しておくようにしましょう。切手代は各家庭裁判所によって異なるため、管轄の家庭裁判所に確認することをおすすめします。

 

さいごに

兄弟姉妹の相続放棄を行う際に必要な書類について説明しました。相続放棄を行うには、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、申述書と必要書類を合わせて提出しなければなりません。必要書類には、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本など、取り寄せるのに時間がかかるものがあります。相続放棄の期限は3か月と長くありませんので、早めに書類集めを開始することが大切です。

相続放棄を含め、相続の手続きについて不安なことがあれば、相続に詳しい専門家に相談するといいでしょう。

 

 

 

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