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相続税対策に「ふるさと納税」は使える?活用方法と注意点をやさしく解説

更新日:2025.12.20

相続した財産で「ふるさと納税」をすると、税金がお得になる?

ふるさと納税は、本来、自分の住んでいる場所以外の自治体を応援する「寄付」の制度で、翌年の所得税や住民税が安くなる仕組みです。

実はこのふるさと納税が、相続税の対策にも役立つ場合があります。

相続で受け取った財産からふるさと納税をすると、その分のお金は**「寄付金控除」として相続税の計算から外され、結果的に相続税を減らすことができます。さらに、ふるさと納税なら返礼品**も受け取れるので、通常の寄付よりも「お得感」があります。

ただし、相続税で控除を受けるには、「相続した財産を使うこと」や「申告期限を守ること」など、いくつかの条件があります。

この記事では、ふるさと納税が相続税対策としてどのように使えるのか、その要件や注意点をわかりやすく解説します。


 

💰 ふるさと納税が相続税対策になる仕組み

ふるさと納税は「寄付金」だから相続税が安くなる

ふるさと納税は、名前は「納税」ですが、税務上は「自治体への寄付」として扱われます。

そして、相続税には「寄付金控除」という制度があります。これは、相続した財産から国や特定の団体などに寄付をした場合、その寄付した金額を相続税の計算から除外できるというルールです。

つまり、ふるさと納税(寄付金)を利用すると、相続財産の総額が減り、結果として相続税を下げられるという仕組みです。

 

相続財産をふるさと納税するメリット

相続財産から寄付を行うと、その寄付分は相続財産全体から差し引かれるため、相続税の課税対象額を少なくできます

🎁 返礼品でお得になる可能性がある

相続税を下げるだけなら、通常の寄付でも同じ効果は得られますが、ふるさと納税の最大の違いは「返礼品」です。

寄付額に対して約30%までの返礼品を受け取れるため、たとえば100万円をふるさと納税すれば、最大30万円程度の返礼品が手に入る可能性があります。

さらに、本来の目的である所得税や住民税の控除も受けられるため、「相続税が下がり、返礼品ももらえ、さらに所得税・住民税も安くなる」というお得な使い方ができます。


 

📝 相続税の寄付金控除を適用するための要件

ふるさと納税で相続税の寄付金控除を受けるためには、次の3つの条件をすべて満たす必要があります。

1. ふるさと納税に使う財産が「相続で取得したもの」であること

  • 寄付金控除を受けるためには、相続人(財産をもらった人)が自分の意思で相続によって手に入れた財産を使ってふるさと納税をしなければなりません。
  • 亡くなった方(被相続人)が遺言で寄付を決めていた場合は、この控除は使えません。

 

2. 相続税の申告期限内にふるさと納税を行うこと

  • 相続税の寄付金控除の対象になるのは、「相続税の申告期限内」に行った寄付だけです。
  • 申告期限:相続が発生したことを知った日(通常は亡くなった日)の翌日から10ヶ月以内です。
  • この短い期限内に遺産分割を完了させ、ふるさと納税の手続きを済ませる必要があるため、早めの行動が大切です。

 

3. 相続税の申告書に「寄付の証明書」を添付すること

  • ふるさと納税を行った自治体から発行される「寄付の証明書」を、必ず相続税の申告書に添付して税務署に提出しなければなりません。
  • 証明書の発行には時間がかかる場合があるため、申告期限が迫っている場合は、事前に自治体に確認しておきましょう。

 

⚠️ ふるさと納税を相続税対策に使うときの注意点

お得な活用法ですが、次の4点には特に注意が必要です。

1. 相続財産は「そのままの形」で寄付する

  • 相続税の寄付金控除の対象となるのは、相続した財産をそのままの形で寄付した場合に限られます。
  • 例:相続した美術品を一度売却して現金に変え、その現金でふるさと納税をした場合、それは控除の対象になりません
  • そのため、ふるさと納税は、預貯金などの「現金資産」から行うのが一般的です。

 

2. ふるさと納税には「お得になる上限額」がある

  • ふるさと納税が「お得」になるのは、基本的にご自身の所得税や住民税が安くなる範囲内で寄付した場合です。
  • この範囲を超えて寄付した部分は、純粋な寄付(自己負担)となり、手元に残るお金が減ってしまいます。
  • 相続財産は、相続人自身の所得税・住民税には影響しません。そのため、ご自身の年間収入を把握し、所得税・住民税が安くなる上限額を意識してふるさと納税を行うようにしましょう。

 

3. 返礼品が高額だと「一時所得税」がかかる場合がある

  • ふるさと納税の返礼品は「一時所得」として扱われます。
  • 返礼品の合計金額が、他の賞金などと合わせて年間50万円を超えた場合、その超えた部分に所得税や住民税が課税される可能性があります。
  • 相続税を減らすためにふるさと納税をしたのに、所得税が増えてしまう、という事態にならないように注意しましょう。

 

4. 相続税がゼロになっても「申告」は必須

  • 相続財産からふるさと納税をした結果、相続税の課税対象額が減り、最終的な相続税額がゼロになった場合でも、必ず相続税の申告を行わなければなりません。
  • 申告をしないと、寄付金控除が適用されず、本来ゼロになるはずの相続税を納めることになってしまうため、忘れないようにしましょう。

 

🗝️ さいごに

ふるさと納税は、相続税対策として活用できる可能性があります。

しかし、申告期限(10ヶ月)が短いことや、ご自身の所得上限額を考慮しないと損をしてしまう可能性があるなど、注意点もいくつかあります。

手続きや金額の計算に少しでも不安がある場合は、税理士にご相談いただくことをおすすめします。

 

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