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相続放棄の期限はいつまで?期限を延長することはできる?

更新日:2023.11.13

はじめに

自身が相続人になったことが分かり「相続放棄の期限は延長できる?」「相続放棄の期限を過ぎてしまったらもう手続きできないの?」とお困りになることもあるかと思います。

この記事では、相続放棄の期限の考え方や期限を延長できるのか、期限を過ぎても相続放棄できるのかについて説明します。

相続放棄の期限についてお困りの方はぜひ参考にしてください。

 

相続放棄の期限はいつまでか

相続放棄は、相続開始を知ったときから3か月以内に行わなければなりません。

相続人は家族であることが多いので、葬儀やさまざまな手続きを行うなかで3か月というのは決して長いとは言えないでしょう。

そもそも、相続放棄の期間はどこから数えるのか、失踪などで生死が不明な場合はどうなるのか下記で説明していきます。

相続放棄の期限の起算日

相続放棄は、民法で「自己のために相続の開始があったことを知った時」から起算すると定められています。

「亡くなった日」から起算すると勘違いしがちですが、そうではありません。

相続人となる人は亡くなった方と近い関係性の人だけではないので、亡くなったことを知らないこともあります。

他の相続人や、債権者からの通知で自己が相続人となっていることを知る人も少なくありません。

もし亡くなった日を相続放棄の起算日とすると、相続人になったことを知ったときにはすでに期限を過ぎていたということもあり得ます。

それでは相続人にあまりにも不利であるため、相続人となったことを知った日から起算することになっています。

失踪などで亡くなったかどうか分からない場合

行方不明で生死が不明な場合、一定期間後に裁判所に申し出を行い死亡と認定を受けることになります。

失踪は「普通失踪」と「特別失踪」に分けられます。船舶事故などで行方不明となった場合が特別失踪です。家出などの行方不明者は普通失踪となります。

特別失踪では、危難が去ったときから1年目以降に特別失踪の申立てが行えます。

申立人が相続人の場合、失踪宣告の確定日が相続放棄の起算日となります。他の相続人は、失踪宣告によって自己が相続人となったことを知った日が起算日です。

普通失踪は、行方不明になってから7年が経過した日から、家庭裁判所に申立てが行えます。死亡とみなされる日は、行方不明になって7年経過した日です。10年経過していても、7年経過した日が死亡日となります。

相続人が失踪宣告の申立人であれば、審判の確定日から3か月以内に相続放棄の手続きが必要です。

審判の確定後には、市役所への届け出も忘れずに行いましょう。市役所へ届出を行わないと、戸籍に失踪宣告されたことが記載されません。

戸籍謄本は相続税の手続きにも必要になります。

失踪とは別に、認定死亡というものがあります。自然災害などで死亡した可能性が高いものの、遺体が見つからないケースが認定死亡にあたります。

認定死亡では、調査を行った官公庁が死亡を認定し、市区町村へ連絡します。市区町村から家族に死亡が認定されたことが知らされた日から、相続放棄の手続き期間が始まります。認定死亡の場合、裁判所への申立ては不要です。

 

相続放棄の期限は延長できるのか

相続放棄の期限は、正当な理由がある場合に延長できます。その場合、裁判所へ相続放棄期限内に「相続放棄の期間伸長の申立て」を行わなければなりません。

相続放棄を行うかどうかの判断には債務の調査や遺産額の確認など、行うべきことがたくさんあります。

被相続人(亡くなった方)に近い親戚であれば、調査がスムーズにいくこともありますが、疎遠であったり遠方に住んでいたりした場合には困難でしょう。

相続放棄の判断が困難だという正当な理由があるときには、相続放棄の期間を延長してもらえます。

延長期間は事情に応じて判断されます。相続人のうちの1人が延長を行っても、他の相続人の期限は変わりません。

相続放棄の期限延長に必要な手続きと書類

相続放棄の期限延長は、家庭裁判所への申立てが必要です。申立てを行う家庭裁判所は、被相続人の最後の住所地にある家庭裁判所になります。

申立てに必要な書類は被相続人との続柄により異なりますが、共通して必要となる書類は下記のとおりです。

1.申立書

2.被相続人の住民票除票又は戸籍附票

3.(利害関係人からの申立ての場合)利害関係を証する資料(例戸籍謄本)

4.延長を求める相続人の戸籍謄本

審理に必要になる場合は、追加の書類提出を求められることもあります。

相続放棄の期限延長の申立書の書き方

相続放棄の期限延長を申立てる書類には、申立ての理由を書く箇所があります。

相続放棄の判断が期限内に行えない正当な理由を、わかりやすく簡潔に記載しなければなりません。

主な記載内容と順序は下記のとおりです。

1.被相続人との関係性

2.相続人となったことを知った日と知った経緯

3.相続放棄の判断が期限内に行えない理由(被相続人の債務状況など)

4.延長してほしい期間

2の相続人となったことを知った日が、被相続人が亡くなった日と離れている場合は、なぜ相続人となったことを知るまでに時間がかかったのかも説明します。

裁判所のホームページに記載例もありますので、参考にしてください。

 

さいごに

この記事では、相続放棄をしたい場合の期限や申立書の書き方について紹介しました。

次回の記事では、相続放棄の期限が過ぎてしまった場合について、説明をいたします。

 


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