目次
はじめに
「Webデザインの勉強をして、おしゃれなサイトを作ってお金を稼ぎたい!」という夢、とても素敵ですね。でも、プロとして働くなら避けて通れないのが「お金と税金」の話。その中心にあるのが「確定申告(かくていしんこう)」です。
今回は、Webデザイナーを目指す皆さんのために、確定申告の基本から「自分でやるか、プロに頼むか」の判断基準まで、どこよりも詳しく、わかりやすく解説します。将来の自分のために、今からこの「ルール」を予習しておきましょう!
1. Webデザイナーは確定申告が必要か?
結論から言うと、「一定以上稼いだら、全員必要」です。
「まだ学生だから」「まだ開業届を出していないから」という理由は関係ありません。まずは自分がどのパターンに当てはまるかチェックしてみましょう。
確定申告が必要になる基準
確定申告とは、1年間の「利益(所得)」を計算して、国に「これだけ税金を払います」と報告する手続きです。その基準は、働き方によって違います。
| 就労形態 | 確定申告が必要な基準 |
| 専業のフリーランス | 1年間の所得が48万を超える場合 |
| 副業デザイナー | 会社員やバイトをしながら、副業の利益が20万円を超える場合 |
| 会社員デザイナー | 年収が2,000万円を超える場合 |
| 退職した人 | 年の途中で会社を辞めて、そのまま年を越した場合(年末調整がないため) |
| すべての人 | 高額な医療費を払って「医療費控除」を受けたい場合など |
「開業届」を出していなくても申告は必要!
「私はまだ税務署に『Webデザイナーになります!』という書類(開業届)を出していないから、申告しなくていいよね?」と思うかもしれませんが、それは間違いです。
開業届を出していなくても、お金を稼いでいれば税金を払う義務があります。「稼いだら報告する」。これが日本のルールです。
2. 確定申告のやり方:4つのステップ
「難しそう……」と感じるかもしれませんが、今はスマホやパソコンでかなり簡単にできるようになっています。手順は以下の通りです。
ステップ1:青色申告か白色申告かを選ぶ
確定申告には「おトクなコース(青色)」と「標準コース(白色)」があります。
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青色申告: ちょっと帳簿(お小遣い帳の難しい版)をつけるのが大変ですが、その代わり最大65万円分を「なかったこと」にして税金を安くできるという、超強力なボーナスがあります。
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白色申告: 楽ですが、ボーナスはありません。
将来プロとしてやっていくなら、最初から「青色申告」を狙うのが賢い選択です。
ステップ2:帳簿づけと書類の準備
毎日、何にお金を使ったか、いくら報酬をもらったかを記録します。
昔は手書きでしたが、今は**「クラウド会計ソフト」**という便利なアプリがあります。銀行口座やクレジットカードを連携させれば、自動で記録してくれるので、高校生の皆さんならゲーム感覚で操作できるはずです。
ステップ3:申告書を作ってネットで送る(e-Tax)
2月〜3月になったら、まとめたデータを国税庁のWebサイトに入力します。
今は「e-Tax(イータックス)」といって、マイナンバーカードを使って家からポチッと送信するだけで完了します。わざわざ税務署に並ぶ必要はありません。
ステップ4:税金を払う(または返してもらう)
計算の結果、税金を払う場合は3月15日までに支払います。
逆に、先に税金を引かれすぎていた場合は、数週間後に「還付金(かんぷきん)」としてお金が銀行口座に振り込まれます。ちょっとしたボーナス気分を味わえる瞬間です!
3. Webデザイナーの収入:ここに注意!
Webデザイナーならではの「お金の入り方」に注意が必要です。
納品した日が「売上」の日
お金が銀行に振り込まれた日ではなく、「デザインが完成してお客さんにOKをもらった日(納品日)」が売上の日になります。
例えば、12月にサイトを完成させて、お金が入るのが1月だったとしても、それは「12月の売上」として去年の分にカウントしなければなりません。
手数料を忘れないで!
クラウドワークスやランサーズなどのサイトを使うと、手数料が引かれますよね。
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NG: 手数料が引かれた後の「手元に入った金額」だけを売上にする。
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OK: 引かれる前の「元の金額」を売上にして、引かれた手数料は「経費」として別で書く。
これを正しくやらないと、後で税務署から「計算が合わないよ?」と連絡がくるかもしれません。
4. Webデザイナーが「経費」にできるもの
ここが一番気になるポイントではないでしょうか?
仕事のために使ったお金(経費)をちゃんと計上すれば、払う税金を安くできます。Webデザイナーなら、以下のようなものが経費になります。
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パソコン・周辺機器: Macや高機能モニター、ペンタブ、マウスなど。
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Adobe CC代: PhotoshopやIllustratorの月額料金。これは必須経費ですね!
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フォント・素材代: 有料フォントやストックフォトの購入費。
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勉強代: デザインの本、オンラインスクールの受講料、セミナー参加費。
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ネット代・スマホ代: 仕事で使っている分だけ計算して経費にできます。
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カフェ代・コワーキングスペース: 家ではなくカフェで作業したときのコーヒー代や、スペースの利用料。
「家事按分(かじあんぶん)」って?
自分の部屋で仕事をしている場合、家賃や電気代の「全部」を経費にはできません。
「部屋の面積の20%を仕事机が占めているから、家賃の20%を経費にしよう」というように、プライベートと仕事の割合で分けることを「按分」と言います。
5. 忘れた頃にやってくる「個人事業税」と「消費税」
所得税の確定申告が終わってホッとしていると、別の税金のお知らせが届くことがあります。
個人事業税(所得が290万円を超えたら)
これは都道府県に払う税金です。Webデザイナーは「デザイン業」というカテゴリーに入り、1年間の利益が290万円を超えると、超えた分の約5%を払う必要があります。夏頃に通知が届くので、お金を残しておく必要があります。
消費税(売上が多い人向け)
「消費税ってお店で払うものじゃないの?」と思うかもしれませんが、実はビジネスをしている人も、国に消費税を納める義務があります。
基本的には「2年前の売上が1,000万円を超えた人」が対象ですが、最近始まった「インボイス制度」に登録した人は、売上が少なくても消費税を払うことになります。これは少し複雑なので、プロ(税理士)に相談するのが一番安全です。
6. 自力でやる? それとも税理士に頼む?
最後に、「全部自分でやるべきか、プロに頼むべきか」の判断基準をお伝えします。
自分でできるケース
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副業で、売上がそれほど大きくない。
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取引先が1〜2社だけで、計算がシンプル。
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会計ソフトを使って、毎月コツコツ記録できている。
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「お金の勉強だと思って自分でやってみたい!」という熱意がある。
税理士に頼むべきケース
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売上が伸びてきて、経理作業に何時間も取られるようになった。
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消費税の申告が必要になった(計算がめちゃくちゃ難しいです)。
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節税のアドバイスが欲しい。
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「書類作成よりも、1分でも長くデザインの作業をしていたい!」という人。
月1万円代から頼める「まるなげ太郎」
もし「自分では無理だ!」と思ったら、税理士法人アイフロントの「まるなげ太郎」のようなサービスもあります。
2ヶ月に1回、領収書や請求書を封筒に入れて送るだけで、プロが全部代わりにやってくれます。月額1万円代から頼めるので、売上が安定してきたデザイナーさんに人気です。
まとめ
Webデザイナーとして働くということは、アーティストであると同時に、一人の「経営者」になるということです。
「確定申告」は面倒に感じるかもしれませんが、正しく知っていれば怖くありません。むしろ、経費や節税を理解することは、自分の手元に残るお金を守るための「守りのスキル」になります。
今のうちに、「デザインのスキル」と一緒に「お金の知識」も少しずつ蓄えて、最強のクリエイターを目指してくださいね!